「子供時代のトラウマで疾患率が増す」と言う研究について
アメリカ疾病予防管理センターの医師ロバート・アンダと、医療保険団体カイザー・パーマネンテの予防医学部門の創設者ヴィンセント・フェリッティが1990年代に子供時代の環境の逆境(ACE)について研究したもので、ACEと内科疾患との驚くべき相関関係が出たよってお話。
研究内容はこんな感じ。
1万7000人を超えるカイザーの中年の患者を対象に、家庭内で起こる事柄について10項目の質問に答えてもらった後、それぞれの患者の病歴を調べた。
質問内容は
・虐待に関する項目が3つ
・ネグレクト(虐待や育児放棄、等)に関する項目が2つ
そして、深刻な機能不全に陥った家庭で育ったことを示す
・DVの目撃
・両親の離婚
・家族が刑務所に入っている又は精神疾患がある
・アルコール中毒や薬物乱用の問題を抱える者がいた
など。
その結果、子供時代の逆境(ACE)を4つ以上経験している患者は
癌になる確率…2倍
肝臓病にかかる確率…2倍
心臓病にかかる確率…2倍
肺気腫や慢性気管支炎になる確率…4倍
になると言うんですから驚愕ですわ。
この質問の10項目は、失恋した〜、受験に失敗した〜、などの一過性のものではなく、慢性的で継続するストレス(毎日続く経験)が設定されていたってとこもポイントですね。
あと、チェック項目に当てはまれば当てはまるほど、鬱や不安に悩まされたり、自殺や自己破滅行為に及ぶ可能性が高い。と言うのと、幼少期で見ると、学校での学習や行動に問題があるとされる行動が見られるそうです。
これって逆に、どう言う幼少期を過ごしたかって言う質問で、今後の健康状態にどう響いてくるのかがわかるってことなのかも?( ゚д゚)